2年3組乙女事情
フォークをぶすっと刺したウインナー片手に

くるみがキラキラした目で聞いてきた。



「え?あぁ……うん、とね?」



そんなわけで、私はついさっき起こった出来事を話し始めた。


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6時30分。


だるい体を引き摺りながら、日程のランニングのために浜辺に集合した。

リア女名物のスカートと同じ色のジャージに身を包んで。



夏だから、私は迷わずハーフパンツに椿のロゴが入った白いポロシャツ。



でも、日焼けするのが嫌だからって、長袖長ズボンの全身ピンクの子もいて……

それはそれで、何だか尊敬した。



でも、沖縄に来てまでジャージってどうなの?



何故かテンションの高い子もいるこの状況を奇妙に思いつつ

私は先生の指示に従って浜辺を走り始めた。




そこで私は、彼に出会った。
  



自慢じゃないけど、私は運動が苦手だ。


だからいつもみたいに、自然にみんなの最後尾を走ることになって……



だんだん苦しくなってきたお腹に手を当てながらゆっくりと走ってた時に、たまたま彼を見つけたんだ。



どこの誰なのかなんて、もちろん知らない。



でも、いきなり現れたピンクの集団にびっくりしたのか

くるっと回れ右してその場を離れる彼が面白くて……

私はつい、目で追ったんだ。
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