2年3組乙女事情
真っ白の少し緩めのTシャツ。

薄いグレーのハーフパンツ。

よく見えないけど、足元はたぶんサンダル。



地元の人なんだろうなぁ……

なんて、ぼーっと眺めてた私は



ずごっ!

……と、何とも情けない鈍い音を出してその場で転んだ。



「…っ……いったぁ」



思わず声を出して、打った足をさする。



さらさらした砂浜だったけど、いくつか大きめの石もあって……

見事にその1つにクリーンヒットした私の膝には

赤いラインが薄く滲み始めてた。



「大丈夫か!?」


「へ……?」



見上げるとそこには、さっきいた男の人。


遠くからだとよくわからなかったけど

日に焼けた肌に少し色の抜けた短髪が格好良い。


完全なるイケメンだ……



「おーい!大丈夫か?」


「へ?あ、あぁ……大丈夫です!すみません!」



彼にすっかり見とれてた私がよっぽど変な顔をしてたのか

急いでそう答えた私を見て、彼は少し笑った。



「このジャージ、去年も見たよ。可愛い色だけど、インパクトはハンパねーな」


「え?」


「俺、毎年この時期はあそこの海の家でバイトしてるからさ。平日は朝だけ。土日は1日。
とりあえず、傷は洗った方が良いんじゃね?ピンクジャージはまたここに帰って来るから、それまで待って合流すりゃ良いだろ」
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