幼馴染と彼氏の事情
第三章 彼と彼と彼女
気が付けば・・・
あっという間にダンスパーティーの日が近くなっていた。
あれから恭ちゃんに会うと私は避けるようにした。
彼と練習をすることもあの一度以来なかった・・・。
でも、そのかわり私はなるべく俊ちゃんに会って俊ちゃんと話すようにしていた。
「なんか、あっという間だね!もう来週だよーダンスパーティー。」
「そうだね。・・・どう?踊りの練習順調?」
「あ・・・うん!ミスはないように頑張るから!」
嘘・・・順調なわけないじゃん。
踊れる相手避けてるんだし・・・って今更彼に言ったってどうしようもない。
「そう・・・あ、そういえば今日放課後ドレスが体育館に出されるんだよね?」
「そっか!じゃあ一緒に行こう!!」
ドレス・・・どんな感じの選んでくれるんだろ。
「男の人に初めてドレス選んでもらうから、なんか嬉しいなぁ~。」
「俺も初めて女の人のドレス選ぶよ。星華でよかった・・・。」
そう言って頭を撫でてくる。
「あたしもだよ!」
私は背伸びして彼の髪を撫でる・・・というか彼が高いから触ると言った方が明確かもしれない。
「ありがとう・・・。撫でてもらうって少しくすぐったいな。」
「でしょ?でも落ち着くんだ・・・ふわぁってして・・・。」
それも俊ちゃんが撫でてくれるからだよ。
そっと心の中で思う・・・。
「ドキドキはしないの?」
すると彼は真剣な眼差しを向けてくる。
「え・・・?」
「星華は・・・ドキドキしないの?俺に触れられて。」
ちょ・・・!!
急にどうしたの!?
私が慌てていると彼は耳元で・・・
「俺はすっごくドキドキしてる・・・。」
と・・・囁いた。
「・・・!?/////」
しゅしゅしゅしゅ・・・・俊ちゃん!?
「あれ?顔真っ赤だよ?ドキドキしてくれてるの?」
「は・・・はひ!?///」
はひって何よ・・・はひってw
でも彼には乾杯だ・・・。あー・・・熱い熱い。
キーンコーンカーンコーン・・・。
二人の時間を邪魔するかのようにチャイムが鳴った。
「あ・・・鳴っちゃったね?・・・残念。」
「しゅ・・・俊ちゃん。」
「その真っ赤な顔、授業始まる前には直しておいてね。俺以外に見せたくないからさっ。」
すると一回だけ頬にキスされた・・・。
「ま・・・ますます赤くなるでしょ!?」
乾杯というか・・・ノックアウトだ。