幼馴染と彼氏の事情
「あたし・・・もしかしたら恭ちゃんのこと好きかもしれない。」
「・・・・え。」
彼は少しだけ驚いた顔をする。
でも・・・その顔は冷たい氷のような表情に戻った。
「ごめんね・・・意味わかんないよね。私もわかってない・・・はっきりしないの。」
でも・・・、ぼんやりと考えてしまうのは恭ちゃんのこと。
「だから・・・それだけは伝えたくて。あたしっ・・・。」
「ごめん・・・俺はもう・・・そうゆうふうには見ること出来ない。」
・・・・っ。
後悔しないって・・・言ったのにな。
「うん・・・そうゆうんじゃないかって思った。ごめんね・・・っ。」
後悔しないって言った・・・のに・・な。
「・・・・うっ。」
駄目だよ・・・。
これは反則だよ・・・泣いちゃ駄目。
零れそうになった涙を一生懸命拭いた。
「星華・・・泣いてる?」
彼はさっきの声とは別で優しい声で私に問いかけてきた。
「な・・・泣いてない・・・。」
そんな聞き方されたら余計に泣いちゃうよ。
「だって今・・・。」
「泣いてない。・・・とにかく、伝えたい事はそれだけだから。恭ちゃんは七深さんを好きになっても構わない・・・。あたしの事そんなふうに見れないのも構わないから・・それでも恭ちゃんのこと好きって確信したときは諦めないから。」
私は彼に言いたい事を伝え彼の応答を聴かず屋上から出て行った。
言いたい事は言えた・・・。
早く私の答えも出さないと・・・。
第四章へ続く。