幼馴染と彼氏の事情
コンコン・・・。
すると誰かがドアを叩く音がした。
誰かな?
「はぁ~い・・・どうぞ。」
ガチャ・・・・。
「どう?ドレス試着できた??」
それは友達だった。
「あ・・・うん。似合うかな?」
私のドレス姿を見ると友達は真ん丸い目をして
「す・・・すっごく綺麗!!お嫁さん!?」
と驚いた。
「そ・・・そんなことは無いと思うけど・・・。」
「そんなことある!!・・・ドレスが似合う子はいいね!」
自分だって似合ってるくせに・・・。
っとあえて言わない事にした。
「あ、そういえば彼氏さんは?待ち合わせたりしてないの??」
あ・・・そうだ。
あれからあってなかったから・・・・。
「あ、うん。二人とも忙しくて・・・。」
私が声のトーンを落としたのに気づいたのか
友達は軽く方を叩く。
「大丈夫だよ!星華が不安になることじゃないじゃん!」
「・・・そうだよね。うん・・・笑顔笑顔!」
私はそういって友達に笑うと
もう大丈夫!っと伝えて衣装室から出て行った。
体育館に向かう途中ボーっと考えてしまう・・・。
私の気持ちはどっちなんだろう。
二人とも好き・・・でも好きの意味は違う。
それがわからない・・・。
賑やかな生徒の声・・・鳴り響く足音・・・。
どれも遠くに聞こえる・・・。
「・・・・・・っ。」
とたんに何かに腕を引っ張られる。
「え!?」
「ちゃんと前見てあるかないと危ないですよ。」
この声・・・・もしかして。
「恭ちゃん?」
確かめるため後ろを振り向く。