幼馴染と彼氏の事情
昔から変わらないその顔・・・幼馴染だ。
「あ、星華。・・・わりっ。」
彼は私を見るなり一瞬動きがとまったがすぐに腕を放した。
「・・・・恭ちゃん。」
「ごめん・・・俺行かないと。」
そういって彼は体育館へ向かう。
言わなきゃ・・・何か言わなきゃ。
「恭ちゃん待って!話したいことがあるの!!」
彼を引き止めて・・・伝えないと。
けど、彼はその言葉に一瞬止まったが何も言わず言ってしまった。
「・・・・っ。」
なんで・・・なんで話してくれないの?
・・・やっぱりそんなふうに見れなくなったのかな?
そう思い・・・体育館へ足を運ばせた。
ザワザワ・・・・。
生徒の声・・・美味しい料理・・・明るい照明。
「んっ・・・おいひい。」
私は気持ちを少しでも晴らすべく料理を食べていた。
「だって一人じゃ寂しいじゃない?」
ん?誰に話してるのかな?
それよりダンスパーティーっていつ始まるのかな?
早く彼に会わないと・・・・
とそんなことを思っていると後ろから温かいものに包まれた。
「だーれだ?」
なぞなぞ口調で聴いてくる・・・この声。
「俊ちゃん!?」
「正解。やっとみつけた。」
彼はこの前の出来事を何もなかったように振舞ってくる。
正直どんな顔して会えばいいかわからなかったから安心した。
「ごめんね。迎えにくるのが遅くなって。」
「ううん。大丈夫・・・。」
心配してくれた・・・当たり前か。
「星華が食べてるそれ・・・美味しい?」