幼馴染と彼氏の事情
中庭・・・二人がいた。
「はぁはぁ・・・・」
彼の居場所を見つけた私・・・
やっとのことで今・・・王子様に全て伝える。
「っ!星華!?」
「あ・・・甲坂さん?何のよう?」
大丈夫・・・もう怖くない。
「あのね、私ちゃんと・・・もう一度気持ちを伝える。」
そう言って彼に近づく。
「気持ちって・・・高梨くんに?もう遅いよ。あたしと付き合ってくれるって言ってくれたし。」
なぜだろう・・・。
不思議とそんな事を言われてもなにも感じない。
「あたしも告白する・・・。それにまだわからないじゃない。」
そう・・・ちゃんと伝えれば結果はどうでもいい。
彼に少しでも伝わったらそれだけで十分。
「恭ちゃん・・・今まで恭ちゃんの気持ちにそっぽ向いてごめんね。本当は初めて屋上で告白された時から好きだったのかもしれない。」
それを聴いて彼は驚いた。
「でも・・・あたし恭ちゃんがそんなふうに思ってるなんて凄くビックリして・・・。あたしには彼氏がいるって・・・そんな理由で避けてたの・・・きっと。」
一言・・・が彼の心に届いてる・・・表情で分かった。
だって震えてる・・・。
「でもね・・・過ごしててわかったの。恭ちゃんと一緒にいる彼女に、ついお似合いなんて言ったけど・・・本当は一緒にいて欲しくないって・・・私の傍にいてよって。」
ゆっくりと彼に気持ちをつたえる・・・。
いえてる・・・ちゃんと気持ち言えてる。
「そう思ったときから・・・俊ちゃんのことがなぜか曖昧で・・・気持ちが恭ちゃんに向くばかりで・・・。初めて気づいた・・・あ、好きなんだって。」
「星華・・・俺っ」
「最後までちゃんといわせて?それで・・・でも彼氏に対する気持ちと幼馴染に対する気持ちを天秤にかけてたせいで・・・ちゃんとした答えが出せなかった。」
彼氏と幼馴染に対する気持ちは好きだけど・・・意味は全然違う。
「でもその意味を考えたら答えが出せた・・・。私は恭ちゃんが好き。私が振ったけど今度は私が伝える。」
私は彼のてを握って微笑んだ。
あ・・・震えてる。
「男として・・・恭が好きです。私のこと幼馴染じゃなくて一人の女の子として見てください。」
言えた・・・・全て言えた。
もう後悔はない・・・・。
全て言えたから。
「・・・・ごめん。」