幼馴染と彼氏の事情
第ニ章 私の嘘
恭ちゃんは私のことを好きって言った・・・。
それに・・・そのことも俊ちゃんに聞かれてしまった。
何でか分からない・・・でもこの状況凄くまずい気がする。
「お前の告白・・・聞いてんだけど。」
「俊ちゃん・・・あのっ。」
私は理由を言おうとしたけどそれを恭ちゃんは
やめろと・・・言っているように私に合図した。
「あぁ・・・星華に告白した。でもお前達が付き合ってるのを知ってる。」
「知ってて彼女に言ったのか?」
「違う・・・星華のには前から言おうとしてた。でも、俺は幼馴染でこいつの傍にいられるならそれでいいと思って・・・言わなかった。」
恭ちゃん・・・。
この状況をなんとかしなきゃ・・・でも・・・。
「そうなんだ。じゃあ一度俺がチャンスをあげる。」
え・・・チャンス?
「彼女に告白したんだろ?じゃあ彼女の答え次第だ。彼女が俺じゃなくてお前を選ぶなら俺は身を引くよ。」
「・・お前・・・。」
え・・・じゃあ責任はあたしにあるってこと?
でも・・・答えは決まってた。
私は・・・私なんかよりいい人が彼には近くにいる。
だから・・・だめだ。
「私・・・恭ちゃんのこと幼馴染としか見れてない・・・だからごなめんさい。」
「・・・え。」
その言葉を言ってからすぐ彼は私を見て悲しい顔をした。
けど・・・私は彼を見ないように下を向いた。
「星華、それが君の答えなんだね?」
俊ちゃんに問いただされた。
今・・・この気持ちに迷いはなかった。
「うん・・・。」
でも俯いて頷く事しかできなくて・・・
「星華・・・。そっか!わかった!なら俺達は幼馴染だ。それ以上でもそれ以下でもない!!」
俯いてたから顔は見れなかったけど
きっと彼は頑張って笑ってる。
「じゃあ俺がいても邪魔だし・・・行くな!あ、でもデカ彼氏!!」
「ん・・・何?」
「一週間の勝負はまだ続けるからな!まだお前を彼氏として認めたわけじゃないからな!!!」
「分かってる。絶対勝ってみせるよ。」
その会話が終わると屋上の入口が開く音がした。
ガチャ・・・パタン。