空の下のあの公園で


こいつ………

こんな寂しそうに笑う奴だったっけ?

少しだけ出ている生暖かい風に髪と制服のネクタイを靡かせたこいつの目線は
どこか遠くを見ていた

それに空を見上げれこいつの顔は
笑えていなかった

不自然な作り笑いを浮かべているような気がした

俺が気づかないとでも思ってるのか?


『なぁ………』


『はい?』


『やっぱなんでもねぇ』


『またそれですか』


少しだけ胸が苦しくなった

どんなに一緒にいる時間が増えたって
¨なにがあった¨かなんて聞けない

お互いに関しての線はお互いが身を引いて超えなかったから


『空って改めて見ると広いな』


『そうですね』


『お前学校始まったか?』


『はい』


『そうか。俺実はお前の先輩なんだよね』
『え?そうだったんですか?』


こいつは空から俺に視線をうつし驚いた顔をして『知らなかったです』と付け足した

当たり前だろ

だって俺らは

知っていることより知らないことの方が
多いじゃねーか

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