空の下のあの公園で


『………じゃないですか』


『ん?』

今にも消えそうなその声は風に流れてしまう


『大切なもの……奪ってくじゃないですか空って。笑うかもしれないけど…』


『笑わねーよ』


『…一度失ったらいくら手を伸ばしても届かないんです。だんだん遠くなっていっちゃうから
…それでも人間は空の下でしか生きていけなくてって…

………大切なもの空の下に置いておいたらなくなっちゃう気がするだけです』

最後に¨それだけです¨と付き足すとゆっくりブランコを漕ぐ


『変ですよね』


『やっぱり俺とお前似てる
俺もなんとなくわかるからお前の言いたいこと』

お互い違う人生和歩んできたはずなのに
少し重なってる気がした

今のお前はあの時の俺と重なって見えるんだ


言葉なくてもわかるんだって

けど¨なにがあった?¨

そこからは聞けない


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