空の下のあの公園で
『おいっ!!!!』
雨の音に消されてしまわぬよう声を出す
『………』
俺の声に気づいたあいつはゆっくりこっちを振り返った
けどあいつお得意の反らし笑顔はなくて
光のない虚ろな瞳で俺を見ていた
『………ッ…』
何も言えなくてお互い微妙な距離のまま
目を合わせていた
よく見るとあいつがしている包帯は雨に濡れとれかけていた
少し滲む赤いものはすぐに血だとわかった
『お前……』
グイっとこいつの左腕を掴んで無理矢理降ろす
『ちょっ…』
『病院行くぞ。手血出てんじゃねーか』
あくまで冷静を装っているが内心は
焦りや不安怒りで胸がバクバクしていた
『離してッ…!』
こいつは懸命に俺の腕を振り払おうと体を動かした
『なに言ってんだよお前は!!!!しっかりしろよ!!!!』
なぜか怖くて仕方なかった