ずっとあなたのことが大好きです。
「美月立てるか?」
「うん。」
「ほらよ」
流聖は私を立たせた後、保健室まで送ってくれた。
色々事情を話し快くベッドを貸してくれた。

時々授業の合間に様子を見に来てくれる。
でも、私はしんどくて早退することにした。
保健室を出て玄関に行こうとした時たまたま流聖とばったり会った。
「帰るのか?」
「あ、うん。ちょっと学校にいるのがいやだから・・」
「あー・・ だよな。ちょっと待ってて?」

その場で待ってること15分。
小走りで「お待たせ!」といって戻ってきた。
「どうしたの??」
「一人じゃあぶねえから俺も帰る」
「え?!え、でもだめだよ!!」
「いーの。俺が帰りたい」
そういわれるとうんしかいえないよう・・。
腕をグイッと引っ張られて自転車の後ろにのせられた。
「どこか行きたいとこつれてってやるよ」
「え!いいの?」
「おう」
遊園地も行きたいし・・ 動物園も・・・ 動物園が行きたい!!
「動物園!」
「お前はガキかよ。了解」
フッと笑いながら了解と言ってつれてってくれた。
そんな優しさにキュンとしてしまう自分がいた。

自転車を走らせて約1時間のところに動物園がある。
「うわあああっ!!」
やばあっかわいいいいっっ!!
「ほんと子供だな」
隣でクスクス笑ってる流聖を無視しつつ動物に夢中になる私。
「お前のはしゃぎぶりには負けるわ・・・」
ゼーゼーと息をきらしてまでついてきてくれる流聖。
「ぷっ・・ ごめんね流聖!」
「しゃーねえな。許す」
「わーい!」
こんなやり取りをしたのは初めてかもしれない。
母親、父親に捨てられた時からずっと本当に笑ったことがあまりなかった。
けど、今は自然に笑えている・・・。
流聖といると落ち着けるなあ・・。

「はしゃいだからお腹すいただろ?」
「うんちょっと」
「よし!なんか飯くうかっ」
「いいの!?」
「おうおう。今日は俺のおごりだ!」
近くのフードコーナーでハンバーガーを買ってくれた。
「わざわざありがとう!」
食べ続ける私を見てこういった。
「お前よくくうな」
笑いながら私のたべっぷりをみる流聖。
「えへへ、美味しいから手がすすんじゃうんだもん」
「食いしん坊さんだな」
「うっさいなあもう!」
「あはは」
お昼を済ませ3時間くらい動物園を満喫した。

そして夜の6時。
「そろそろ帰るか?」
「うんそうだね」
名残惜しいけど暗いし帰るか・・・。
「送ってくから後ろのって」
「あ、うん!ありがとう」
それから他愛のない会話をしながら送ってもらい手を振る。
「また明日な!」
「うん!今日はありがとう。また明日ね!」
流聖は「おう」とかすかに微笑み帰った。

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