主婦だって恋をする
最悪な店員
――――ある、冬の日。
私は近所のドラッグストアの店内に居た。
……避妊具を、買うために。
でも、目的の売場がなかなか見つからない。
「何かお探しですか?」
店内をきょろきょろしながら歩く私に声をかけてきた店員は、私の探し物を最も尋ねにくい若い男の子だった。
聞きたいけど……どうしよう。
「お客様?」
彼は黙っている私の顔をのぞき込んでくる。
こうなったらもう、言うしかない……
「コ……コンドーム」
私はほとんど聞こえないくらいの声で呟く。
「……ぷっ」
ぷっ…て…
今、笑われた……?
「……何ですか?」
「いや、すいません……こちらです」
背中を向けて歩き出す彼。その肩が微かに震えている。
まだ笑ってる……恥ずかしい。
このおばさん何赤くなってんだよとか思われたんだ…
やっぱり言わなければ良かった……
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