主婦だって恋をする
「……成美もしたくなっちゃった?」
「そんな訳ないでしょ……もう帰ろう?」
「やーだ。俺、分かってて連れてきたんだ。ここがそういう公園だって」
耳元で囁くと、泣きそうな顔で
俺を見つめる成美。
「……恥ずかしいよ、他にも人が居るのに」
「みんな俺たちのことなんて興味ないよ。自分の前にいる相手しか、目に入ってない」
俺は成美の顔を両手で包み込み、瞳を覗いた。
「成美の目には俺しか映ってないよ。俺の目には誰が映ってる?」
「………私」
「ほら……恥ずかしくない」
そのまま唇を合わせた俺たちは、周りの恋人たちに負けないくらい熱く抱き合った。
家に帰ってから成美に散々怒られたのは、言うまでもない。