主婦だって恋をする
「…………祥子」
振り向くと、そこには婚約祝いの食事の日以来の、祥子の姿があった。
慶と一緒のときに知り合いに会うのは初めてで、動揺した私は目を泳がせる。
「こんな所で会うなんて奇遇ね。買い物?」
「うん、そんなところ……祥子は今日仕事じゃないの?」
「休んじゃった。仮病で。ほら、これから彼と一緒に暮らすから色々揃えなきゃならないんだけど、週末だと混むじゃない。
……ねえ、この後何もないならお茶でもどう?」
祥子の誘いになんと答えようか悩んでいると、会計を済ませた慶が戻ってきた。
「成美、終わっ………た」
慶は私が誰かと一緒にいるのに気づいて戸惑ったようだった。
祥子も、見知らぬ若い男の子の登場に不思議そうな表情。
どうしよう……