主婦だって恋をする
「メシは?」
「……食べてきた」
「風呂は?」
「……入ってきた」
「そっか……じゃあ明日の準備して、寝るだけだな」
“寝るだけ”
……夫は睡眠という意味で言ったのだろうけど、緊張して一瞬身体が硬くなった。
彼の後に続いてリビングに入ると、テーブルにはコンビニ弁当の残骸と、缶ビール。
「いつも、こんな食事……?」
私の言葉に夫はばつが悪そうに頭をかいた。
「まあ、大体そうだな……」
「体、大丈夫?」
この人のために料理をすることを放棄したのは自分なのに、心配せずにはいられなかった。
これは情なのだろうか……
「なんとかやってるよ」
夫はそう言って、割り箸とお弁当のパッケージをゴミ箱に放り込む。