主婦だって恋をする
「……どうしたの?」
急に黙りこくった俺の顔を、可愛い顔が覗き込む。
「いや、何でも……」
アブねー……キスしそうになった。
この無防備さ……
だいぶ俺への警戒心が薄れてるみたいだな……
「……ねぇ、作るの見ててもいいかしら?」
「え、いいけど…何で?」
「カルボナーラなんて作ったことないから。できそうだったら家で作ってみようかなって」
家で……か。それって……
「……旦那のため?」
少しだけ沸き上がった嫉妬の気持ちを誤魔化すために、茶化すように彼女に聞く。
「……そう、ね」
睫毛を伏せて微笑した彼女の
表情は、なんだかぎこちなかった。