主婦だって恋をする
「慶………」
成美が冷ややかな目で俺を振り返った。どうやら下心が見え見えだったらしい。
「なんだよ」
「私、あんな短いスカート穿けないわよ」
「あ、ばれてたか」
もう!と頬を膨らませて結局自分で探し始めた成美。
手持ち無沙汰になった俺は、彼女のTシャツの中に手を入れてもぞもぞと動かした。
「あ、これいいかも……時給900円」
そんな俺の悪戯は完全に無視して、成美はラインマーカーで印なんかつけている。
「決まったんなら、そろそろ俺に構ってよ」
そう言って耳朶に噛みつこうとしたら、成美がいきなり立ち上がった。
「早速、電話してみる」
憮然としたままの俺を残して、彼女は電話をかけに行ってしまった。