主婦だって恋をする

翌週から始まったウエイトレスの仕事は、経験があったおかげで比較的早く慣れることができた。


いつもランチタイムから四時間が私の勤務時間で、大学やバイトがないときは慶が迎えに来てくれた。


ある日、退店したお客さんのテーブルを片づけながらふと窓の外を見ると、弱い雨が降っていた。


帰るまでに止むといいけど……


そう思いながら重ねた食器を持ってホールを歩いていると、近くに居た男女客の会話が何気なく耳に入った。



「これから暴風雨になるらしいよ」


「えー…じゃあ今のうちに帰ろう?」



そんなこと、今朝の天気予報では言ってなかったのにな……


私は再び窓の外に視線を移す。


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