主婦だって恋をする
他人行儀
瞼を開くと、白い天井が目に入った。
ここは……病院……?
首だけ横に動かすと、ベッドの脇にいた看護師さんと目が合った。
「待ってて下さい。今、先生と
ご主人様お呼びしますね」
彼女は病室から出ていくと、医師と夫を連れてすぐに戻ってきた。
「ご気分はどうですか……?」
ヒタヒタと冷たい聴診器を私の胸に当てながら、先生が聞いてきた。
「……大丈夫、です」
怪我をしたのは足なのに、こんなときも聴診器を当てられるのね、とぼんやりした頭で思った。
「しばらくは絶対安静でお願いしますね」
にこりと笑って出て行った先生。
看護師さんも軽く会釈をして病室を出ていった。