主婦だって恋をする

夫には考えるなと言われたけど、頭に浮かぶのはやはり慶のこと……そして、これからのこと……


私の意識が回復するまでの間、慶は居心地が悪かったに違いない。

私は彼に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。


すぐにでも会って謝りたい。そして、私の怪我はあなたのせいじゃないと言って聞かせたい。


だけど……

私の自分勝手な行動のせいで、夫にはたくさん迷惑と心配をかけてしまった。


それでも私を責めない優しいあの人の元に……今こそ私は戻るべきなのかもしれない。


この怪我は、慶との関係は今が潮時なのだと神様が私に教えるために与えたもののような気がした。


メールを打とうかとも思ったけど、直接話したいから、やめた。

慶が訪ねてくるのを待つしかない。でも彼はきっと来る。


そして、別れを告げよう。


……私はもう、あの小さな部屋には戻れない。


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