主婦だって恋をする
翌日、念のためにと朝から色々な検査をされ病室に戻ったときには疲れ切っていた私。
移動は車椅子で、ベッドの乗り降りも看護師さんに手伝ってもらわないとできない。
「不便ですね……足が使えないって」
「もう少ししたら松葉杖も練習しましょうね」
看護師さんとそんな話をしながらやっと仰向けに寝ころんだ私の元に、開けっ放しになっていた扉から彼がやってきた。
「…………慶」
看護師さんは私たちを交互に見てから、無邪気に言った。
「弟さんですか?」