主婦だって恋をする
ひとりの部屋
―――――――…
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『きみを買い被っていた』
成美が意識を失ってる間、病院の廊下で成美の旦那に言われた。
俺は、何も言い返せなかった。
『でも、成美を手離した俺にも責任がある。成美を……返してくれ』
返すとか返さないとか、成美は物じゃない、なんて今の俺に言う権利なんてなくて……ただ、頷くしかなかった。
俺は……大切に思っていた彼女を守れなかった、駄目な男だから。