主婦だって恋をする
誠実な、愛情……
顔を上げると、優しい眼差しが私に降り注いでいる。
「退院したらさ……また、やり直そう?俺たち。あの家で」
……その言葉は素直に嬉しかった。
好きな男ができたと家を出て、迷惑もたくさんかけて、極めつけが、今回の私の怪我。
本当なら愛想をつかされてもおかしくないのに……
こんな私を許して、また一緒に暮らしてくれると言うの……?
「帰って、いいの……?」
「当たり前だろ」
私の目から、熱い涙がこぼれた。
慶が離した私の指先は迷子にならずに、あたたかな手にしっかりと掴まれた。