主婦だって恋をする
「こちらです」
「ど、どーも……」
もう、早くここから立ち去って!
そう思いながらいつも使っているメーカーの製品を探す。
「あ、あった」
手に取ってかごに入れると、後ろから声をかけられた。
「ふーん、いつもそれなんだ」
「えっ?」
振り向くとまだ彼はそこに居て、腕を組んで私の持っているカゴをの中身眺めている。
「あ、あなたには関係ないでしょ!」
なによこいつ、失礼な店員!
…もう、早く帰ろう。二度と来ないこんな店。
ぷりぷりしながらレジに向かうと、そこには誰も居ない。
ああもう!これ以上イライラさせないで欲しい……
「すいませーん!」
苛ついた声で私は叫んだ。
「……はいはい」
大して急ぐ様子もなくレジに入ったのは、また……彼。
お客さんに対して“はいはい”って…!
「…眉間に皺、寄ってますよ」
半笑いでそう言ってコンドームをスキャンする彼。
「誰のせいだと思って…っ」
「テープでいい?」
袋にも入れず店名の入ったシールを貼ろうとする彼に、ついに私の怒りは爆発した。
「良いわけないでしょ!
こういうのはちゃんと中が見えない紙袋に入れるのよ!
…だいたいあなたさっきから失礼よ!責任者の人呼んで!」
「あー、店長なら昼飯。それよりさ…」