主婦だって恋をする

俺は、部屋に入るとすぐにTシャツの上に羽織っていた長袖のパーカーを脱いだ。

外はかなり蒸し暑いのに長袖を着ていたのには理由がある。



「……あのメール、半分は嘘じゃないよ」



そう言って成美に左腕をかざした。手首には……白い包帯。



「慶……あなたまさか……」


「思ったより、痛かった」



俺はそう言って笑った。

そして次の瞬間、成美の平手打ちが飛んできた。


乾いた音が、ラブホの部屋に響く。



「本当に、死んだら……どうするつもりだったのよ……っ!!」


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