主婦だって恋をする
退院してからは、慶と過ごした日々が嘘であったかのように普通の主婦として、毎日忙しく家事をこなす私に戻った。
休日には夫とデートをして、その夜に楽しく抱き合うのが習慣になりつつあったある日――……
「成美……今日使ったらなくなっちゃう」
コンドームの空き箱をゴミ箱に放ってから夫が言った。
愛を育み直している私たちは、セックスのとき未だに避妊をしていた。
「今度、買っといてよ」
「……わかった、買ってくる」
そんな会話をしてから数日後、私はあのドラッグストアの扉をくぐった。