主婦だって恋をする
――――大学の講義は退屈だから、いつも後ろの方に座ってぼうっとしている。
しかも今は昼食後の三限。
眠っ………
気づいたら真っ白なルーズリーフに、“なるみ”とか“なるみさん”とか書いている自分が居た。
……相当重症だな。
なるみさんに会いたい。
なるみさんに会いたい。
あー……マジで会いたい。
でも、どこに行けば会える……?
机に突っ伏しながらそんなことばかり考えてたら、いつのまにか初老の教授が俺の近くまで来ていた。
「やる気がないなら帰ってよろしい」
教授の言葉に、他の学生が一気にこちらを向いた。
「……いいんすか?じゃあ、帰ります」
俺はそう言って鞄に勉強道具をしまい、教室を出た。