主婦だって恋をする
靴の行方
愛し合った翌朝、夫は機嫌良く会社へ出掛けていった。
私もなんだか気分が良くて、門の外まで出て笑顔で彼を見送る。
さて、洗濯洗濯……
玄関に戻ると、昨日買ったスニーカーに目がいってしまい、私は立ち止まった。
見えないところに、しまっちゃおう。
これ見ると、嫌でも思い出しちゃうもの……
まだ真新しいそれを靴箱の奥にしまいこみ、ふぅ、とため息をついた。
「これで、昨日のことを思い出さなくて済むわ」
私は気を取り直して、家事に戻った。