主婦だって恋をする
恋をすると
買い物から戻った私は、夫がリビングでテレビに夢中になっている間に寝室に入り、ドレッサーの前に座った。
すぐに破って捨てることもできたのに、私は彼の連絡先が書かれた紙をアクセサリーをしまっている小さな箱に入れた。
まるでそれが大切なものであるかのように。
……やっぱり、どうかしてる。
どんどん判断力が鈍ってきて、何が正解で何が不正解か自分でも分からなくなってきた。
額に手を当ててため息をついていると、ドアが開いて夫が顔を出した。
「……どうしたの?」
考え事をする私を、具合でも悪いのかと心配するような声。