主婦だって恋をする
「……何でもないの。お茶でもいれようか」
ぱっと立ち上がって部屋から出ようとすると、夫が私の行く手を阻んだ。
「……成美、最近さ」
「…………?」
何を言われるのかと身体を硬くした私。
「なんか、綺麗になった」
「……え?」
予想外の言葉に顔を上げると、なんだか照れた表情の夫と目が会う。
「お茶は、いいや」
彼はそう言うと、私を軽々とお姫様抱っこしてベッドに優しく下ろした。
上目遣いにその表情を窺うと、夫の瞳が私を求めているように熱く潤んでいて、私は慌てた。
「まだ……昼間よ?」
笑ってやり過ごそうとしたけど無駄だった。
「休みの日くらい許して。昼間から成美を抱けるなんて贅沢、あまりできないんだから……」