主婦だって恋をする
薬指の解放

成美さんが指定してきた日時は月曜日の昼間。

月曜日は旦那の仕事が忙しく、早くに帰宅する心配がないらしい。


大学はさぼることになるけど
仕方ない。

やっと、成美さんに会えるんだから。



鼻歌を歌いながら部屋を片づけていると、約束の時間よりもだいぶ前にチャイムが鳴った。

時計を確認すると、30分以上も早い。


成美さんじゃなくて変な勧誘かも……


不審に思って扉の覗き穴に片目を当てると、俯きながら佇む成美さんが見えた。



「……早っ」



すぐに扉を開けて顔が見たかったけど、少し意地悪な気持ちになった俺は覗き穴からの観察を続けた。


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