主婦だって恋をする
「座りなよ。コーヒーでいい?」
緊張気味にリビングに入ってきた成美さんに尋ねる。
「あ……できれば紅茶がいいな……苦手なの、コーヒー」
……そうなんだ。
成美さんはコーヒーより紅茶派、と。
「安いティーバッグのやつしかないよ?」
「それで充分よ」
今度呼ぶときまでには茶葉を買っておこう。
やかんを火にかけながらそう思いついた自分がおかしくて、一人でにやけた。
……やばいな俺、すごい浮かれてる。
「お湯沸くまでちょっと待ってて」
そう言って彼女の隣に腰を下ろすと、成美さんが俺から少し離れようとした。
……なんでだよ。