主婦だって恋をする
「……なに?」
不満げに彼が私の顔を見た。
「もう少し、話をしてからでも」
「何を?」
「……お互いのこと」
「した後で話してあげるよ」
「それじゃ順番が……」
「誰が決めたの?寝るより話が先って」
そう訊かれて一瞬言葉に詰まったけど、私は言い返した。
「普通、そうでしょう?
普通はもっと話をしたり食事をしたり、デートが盛り上がった後で……!」
「恋愛において普通って……一番必要ない言葉」
彼はそう言って、素早く私に口づけた。