主婦だって恋をする
「……ふっ」
唇を離すと、笑ったせいで漏れた彼の鼻息が私にかかった。
「……開けてよ、口。そんな真一文字にしてないで」
緊張して硬く結んだままだった唇を、人差し指でなぞられる。
「はい、もう一回」
ゆっくり目を閉じると、再び柔らかい唇が降りてきた。
「………ん」
角度を変えて何度も繰り返されるキスに、息継ぎのタイミングを失う。
空気を取り込む隙間を見つけるとそこから熱い舌が差し入れられて、さらに深いキスになる。
「……っ……はぁ」
キスが終わって、息の上がっている私を彼は床に横たえた。
「キスだけでそんなになってどうするの?もっと息つく暇ないことするのに」
呼吸が苦しくて、ついでに胸も苦しくて、私は彼の首にしがみついた。
「それでも……あなたを知りたい」