主婦だって恋をする
だって、成美には帰る家があって、待っている人もいる。
けど俺は、成美が居なくなったら独りなんだ。
「寂しさの分量は、絶対に俺の方が上だよ……」
膝を抱えて拗ねたフリをする俺に、成美は言った。
「寂しくなったら、メールして?」
連絡先を交換したものの、いつも次の約束とか事務的な内容のやりとりしかしてない俺たち。
家庭のある成美を気遣って、あまり俺から送ることもなかった。
「……平気なの?」
「うん……私も、寂しいし」
そのメールが旦那にばれたら……とも思ったけど、成美が大丈夫と言うので俺は気にしないことにした。
それ以上に成美からメールのことを言い出してくれて嬉しかった。
本当は、いつもしたいと思っていたから。