主婦だって恋をする
100円にも満たなかったそれをプレゼント用に、と包装してもらうのは少し恥ずかしかったけど、満足のいく贈り物が見つかって俺は安心していた。
「あとは、ここか……」
“15分で即お渡し!”
“安心価格500円!”
そんな看板を掲げた小さな店でもう一つ、プレゼントを用意した。
……うん、完璧。
あとはスーパーに寄ってケーキとご馳走の材料を買おう。ついでに安物のシャンパンも。
明日はケーキと成美、どっちから先に味わおうかな……
成美を先に味わっちゃったらケーキの甘さが霞むから、ケーキが先で、その後成美。
うん、それがいい。
そんな馬鹿なことばかり思い浮かべてにやけていたために、俺はその晩眠れなかった。