主婦だって恋をする
「成美、ちょっと目閉じてて」
「?わかった……」
俺はガサガサと包装をはがしてく。
中から出てきたのは、大きな宝石に見せかけたキャンディの付いた指輪。
いつも通り拘束の解かれた左手の薬指に、そっとはめてあげる。
「目、あけていいよ」
「……ずいぶん大きな石ね?」
「これが溶けてなくなるまで……俺だけの成美」
成美は小さく舌を出して、その大きすぎる宝石を舐めた。
「……溶けるまでだいぶかかりそうよ?」
「その方が好都合」
俺たちは笑いながら、ベッドに倒れ込んだ。
「今日は私のために素敵なお祝いをしてくれて、ありがとう」
成美が俺を見上げて微笑む。
「どういたしまして。でも、まだ終わってないよ。
今日はたくさん喜ばせてあげるから、覚悟しててね?」
俺はそう言って、裸の成美の胸に顔を埋める。
鼻にかかった声を漏らしながら俺の行為を受け止める成美は、不意にこんなことを言う。
「そんなこと言って……慶がしたいだけじゃないの?」
「成美はしたくないの?」
「…………」
俺が意地悪く聞くと、墓穴を掘ったことに気づいて目をそらした成美。
そんな顔赤くして黙ったら、ばればれだってば。
「成美が俺に抱かれたいのは知ってるよ。だってこんなに……」
「あ、慶、ばか、……ん」
飴と成美を交互に味わいながら抱き合ったその日は二人とも甘くべとついてしまい、うちの狭いユニットバスではしゃぎながら一緒にシャワーを浴びた。