主婦だって恋をする
「……余計なお世話だね」
俺が言うと、涌井さんは少し笑った。
「ありがとう、少し楽になった。本当は彼と別れようと思っていたんだけど……
あなたと話したら、悩んでたのバカらしくなっちゃった。もう少し、自分の気持ちに正直になろうかな」
「良かった。じゃあ俺はこれで……」
長すぎたランチタイムを終わらせるべく椅子から立ち上がった俺を、涌井さんは呼び止めた。
「佐久間君と彼女……付き合ってどれくらい?」
「まだふた月くらいだと思ったけど……」
「これからが大変な時期ね。頑張ってね、応援してるから」
……大変な時期とはどういう意味だろう?
よくわからなかったけど、とりあえずガッツポーズをして俺は食堂を後にした。