主婦だって恋をする
しばらく放心状態だった私はのろのろと立ち上がり、脱がされた服を拾い上げた。
ふと、誕生日にもらった花に目をやると、少ししおれていた。
「……お水、変えなきゃ」
今やるべきことではなかったけど、物事の優先順位も考えられなくなっていた私は洗面所で花瓶の水を入れ替える。
もしかしたら水を変えても、このまま枯れてしまうかもしれない。
それでも、私は花瓶を新しい水で満たした。
寝室に入る勇気はなくて、リビングのソファに横たわった私。
カチ、コチ、という時計の音がやけに大きく聞こえる。
目を閉じても眠れそうになくて、立ち上がったりキッチンに行って水を飲んだり、また横になったり……
そんな繰り返しをしていたらいつの間にか空が明るくなり始めた。