主婦だって恋をする

目が覚めたのはお昼近く……窓から射し込む光で太陽が高く昇っているのが分かった。


リビングに行くと夫がソファでうたた寝をしてた。

きっと私と同じで……昨夜は眠れなかったんだと思う。


起こさないように用心して横を通り過ぎたつもりだったけど、キッチンで水を飲んでいると彼が眠そうな顔を覗かせた。



「俺にも水、頂戴」


「うん、ちょっと待って」



食器棚からガラスのコップを出して水道を捻る。


透明な水が注がれていくさまを見ていたら、後ろからふわりと抱きしめられた。


私は驚いてコップをシンクに落としてしまった。


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