Must not say.
久々に持って来たノートをビリビリと破って手で丸める。


「・・・いでっ」

どこかから消しゴムが飛んできたようだ。

消しゴムが当たった所を擦りながら
犯人を捜す。



教室内を見回していると、

一人の人物と目が合った。


・・・彼だ。



彼は口パクで何かを伝えようとしている。



『け・し・ご・む・み・ろ』


・・・消しゴム、見ろ?



言われた通り、飛んできた消しゴムを手で拾って確認してみる。



消しゴムとケースの間に何かが挟まっているようだ。

・・・紙、だろうか。


取り出して広げてみる。



『不器用な君のために、僕が作ったよ、てるてる坊主』


彼の方を見てみると、手元には小さくて可愛いてるてる坊主が。

わっ、私だって・・・。


彼に負けじと作業を再開する。
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