Must not say.
「あ・・・っ、わ、私・・・っ!」



四階のフロアまであと数段というところで、誰かの声が聞えてきた。



・・・女の子?


そしてもう一人、誰かが居るようだ。



音をたてないように注意しながら、

残りの数段を一気にのぼる。



階段の踊り場から

ちょこっと顔を出して

誰かもわからない二人の様子を窺う。




数学を聞いてきた彼女だ。


もう一人は・・・格好からして男、だろう。



でも背中しか見えないため、

誰だかわからない。



「す・・・っ、す、すっ・・・好きなんですっ!」



・・・生告白っ!?



勉強一筋!って感じだと思っていたけれど、どうやら違うようだ。


素直に気持ちを伝えられる彼女はすごい。

なんだか羨ましい・・・。

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