Must not say.
「ありがとう。でも僕は・・・」


彼女の表情を見ているだけで

自分も胸が苦しくなる。




・・・でも、そんな彼女の表情が

ガラッと変わった。



天使のような可愛らしさとは裏腹に、

悪魔のような微笑みが目にやきつく。




「言っちゃっても、いいんだね?
 あなたの秘密・・・。

 あなたがアレだて事くらい、
 わかってるんだから」



・・・アレ。

教室でも話していたやつの事だろうか・・・。




「僕の正体を知ったうえで
 きみは好きだと言ってくれた。

 きみが初めてだよ、ありがとう」




彼女は怒りに満ちた真っ赤な顔を彼に向け、

そそくさと走り去って行った。



数メートル離れた所から聞えた彼の声が、

・・・誰かに似ていた。
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