Must not say.
第一章
「おはよう!」




・・・もちろん、私が言った訳ではない。





入学したばかりのこの高校。


友達など居るはずもなく、
ろくに会話を交わしていない。



声の主を見上げてみると
彼女は血相を変え、走り去っていった。




見上げただけでも睨んだと勘違いされる
この目つきの悪さ。



決して目が細い訳ではない。





どちらかというとパッチリしていて、
睫も長い方だ。




普通にしていればモテる顔だと・・・思う。




『まぁ、いっか』


そう呟いて、いつもの場所へと向かう。
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