甘くなんかない
それでも希望を捨てきれない俺は、いつインターフォンが鳴っても良いように玄関の周りをうろついていた。
「お兄ちゃん。気持ち悪いし、こっちが悲しくなるからやめてよ」
「は?何言ってんの、光加。別に何も待ってねぇし」
墓穴を掘った俺を光加は呆れたような目で見た。
俺はプライドが音をたてて崩れても、玄関をうろつくのをやめなかった。
なぁ。神様。今日くらい俺だって夢見てもいいよな?
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