Colorful Memory
だから、ごめんね…。

そして―――
あなたを傷付ける私を許して…?



この身体は架衣のものだから。

だから、…最後に一度だけ。


「大好きだよ…架衣」


そう言うと同時に、私は架衣との距離を詰めた。

唇が触れ合ったのは…一瞬。


私から架衣におくる、最初で最後のキス。

架衣の顔が驚きで固まっているのを見ながら、私は笑う。



「架衣―――
さよなら」


さよなら。
私の大好きな架衣。

大好きな…架衣。

だからこそ、“架衣”とはいれない。


私は、踵を返して歩き出した。

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