Colorful Memory
1時期。
架衣のことを好きな女の子に嫌がらせをされたことがあった。

その時も、架衣は私を守ってくれた。


水が降ってきた時は、私を庇ってびしょ濡れになって。


靴を隠された時は、靴を貸してくれた。


毎日反対方向の家から迎えに来てくれて。
帰りはきちんと送ってくれた。


休憩時間も、然り気無く廊下に立っていたのを知ってる。

…それは、恥ずかしくて知らないふりをしていたけれど。


架衣はいつだって私を大切に、大切に
―――まるで、お姫様であるかのように扱ってくれた。

それは私にとっては、恥ずかしかったけれども 嬉しくもあった。

―――幸せな、日々だった。
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