Colorful Memory
漂ってくるツンとした香水の匂いも相まって、私が沈んでいると それに気をよくしたのか、一人の女の子が架衣の腕に自分の腕を絡ませる。

そのまま、挑発的な瞳で私を見て 更に架衣にくっつく。
それを真似るように、他の女の子達も架衣にくっついた。


「ねぇ~彼女さん?
架衣、忘れちゃったんだって?」
「可哀想~」
「ねぇ、それってさぁ」

クスクスと、嫌みらしく笑いながら 女の子達が“ねぇっ”と笑いあう。


「架衣に愛されてなかったんじゃないの~?」


その言葉に。
今まで私を保たせていたものが

―――全て崩れた気がした。

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