Jelly Beans
あたしは、部屋に寝転がって

小指を見つめていた。

今日はいろいろあったなあ。

あたし誕生日だったんだ。

自分の誕生日を忘れるなんて、

そんな高校生はあたしぐらいだろうな。

モ-リもあきれてた。

今まで、あたしは、自分の生まれた日など興味がなかった。

出来るなら、静かに通り過ぎてほしいと身を小さくして過していたから。

プレゼントの山と、待ち伏せを回避するのに

体力を消耗する恐ろしい日だった。



今年の誕生日は生まれて初めて心から祝ってもらって嬉しいと思った。

優しいモ-リの声で「おめでとう。」

と言われた時心が震えた。

小指で揺れるピンクサンゴのいちご

「大切にするね。」

そう呟いて指輪に唇を寄せた

ほんの1時間前にしたキスを思い出し

身体がほてってしまった。

「きゃ~。」////

優しいモ-リの瞳が頭の中がいっぱいになった。






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